
「棋士になるには、奨励会を勝ち抜けばいい」って聞いたんだけど。本当?



はい。棋士編入試験もありますが、大多数の棋士は奨励会の三段リーグを勝ち抜いて棋士となっています。
ただし、奨励会は入会するのも大変ですし、入会してからも三段リーグを勝ち抜けるのはとても大変です。



奨励会に入れても棋士になれるとは限らないってことなのかな・・・。
ちょっと怖いけど、奨励会についてくわしく教えて!



おまかせください!
- 奨励会の入会条件がバッチリわかります!
- 奨励会から棋士になる難しさについて、バッチリわかります!
- 将棋を観るのがもっと楽しくなります!!
それでは始めていきましょう!


奨励会に入るには



じゃあ最初に。
奨励会に入るには、どうすればいいの?



奨励会には、「奨励会入会試験」に合格すれば入会できます。ただし、受験には「プロ棋士」からの推薦が必要です。また年齢があがるほど入会時の級位もあがり難易度はあがります。
満19歳以下(8月末日)で、四段以上のプロ棋士から奨励会受験の推薦を得た者。
引用元:2021年度奨励会入会試験のご案内
満15歳以下 6級以上
満16歳以下 5級以上
満17歳以下 4級以上
満18歳以下 3級以上
満19歳以下 1級*注 この級位は奨励会の級位で、6級でもアマ三、四段の実力となります。
引用元:2021年度奨励会入会試験のご案内



6級でもアマ三、四段!?



はい。奨励会に入る条件でいちばん有利な15歳未満であっても、アマ三、四段の棋力は必要とのことです・・・。
奨励会入会試験



「奨励会入会試験」は、いつどこで行われるの?



「奨励会入会試験」は、毎年夏から秋ごろ、関東奨励会:東京・将棋会館、関西奨励会:関西将棋会館2ヶ所で行われます。
※ 2021年は8月13日〜15日に実施されました。
入会試験は2段階となっており、一次試験では入会希望者同士の対局が行われます。3敗するまでに4勝すれば突破となります。そして、二次試験は現役奨励会員との対局。3敗までに1勝でもすれば突破となり、晴れて奨励会員となります。
参考:株式会社いつつ様ページ



なお、「奨励会入会試験」は、受験者の1割〜2割ほどしか突破できない難関試験です。



ええっ!?入会できるだけで、相当すごいんだね。
昇級・昇段の条件



「奨励会入会試験」を無事突破して奨励会に入会すると、基本的には6級からスタートになるのかな。
奨励会は6級から三段までのクラスがあって、三段から四段に昇段できれば「棋士」になれるんだよね。



その通りです!





昇級・昇段の条件。
昇級・昇段点のとり方は以下の通りです。
三段から四段への昇段は年2回の三段リーグに参加し、1・2位の成績を取ること。
初段~三段までの昇段点は、8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗。
6級~1級までの昇級点は、6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗。
引用元:奨励会規定



三段までは、いくつかの昇級・昇段クリア方法があるんだね。
なお、成績が振るわない、休会などの際には、降級・降段もありえます。
鬼の住処・三段リーグ



二段リーグまでは関東・関西にわかれて行われますが、三段リーグは東京・将棋会館でのみ行われます。



あと1つ。四段に上がれば棋士になれる・・・。
三段リーグは年に2回開催され、上位2人が四段に昇段。晴れて棋士となります。が、この三段リーグ突破が非常に難しいと言われており、鬼の住処などという言われ方もされています。



奨励会に入会後、四段に昇段できるのは1〜2割ほどとのことです。



奨励会に入れるのが受験者の1〜2割。
四段になれるのが奨励会入会者の1〜2割。
棋士の方々や、棋士に挑戦された方々への尊敬の気持がますます強くなったよ。
参考:株式会社いつつ様ページ
なお、三段リーグ次点2回でフリークラス編入という形で四段に昇段することも可能です。
三段リーグ戦で、2回次点を取った者はフリークラスに編入することができる。
引用元:奨励会規定



上位2名で四段になった場合には順位戦でC級2組に初年度から参加。次点2回で四段となった場合はフリークラスに編入ですので、差はあります。
棋士挑戦の年齢制限



奨励会から、棋士にチャレンジするには年齢制限があるのよね。



はい。いくつか条件はありますが、最長でも29歳までしか在籍することができません。
満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる。ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会。
引用元:奨励会規定



奨励会入会のときの年齢と受験の条件と見比べてみると・・・。
満15歳以下 6級以上
満16歳以下 5級以上
満17歳以下 4級以上
満18歳以下 3級以上
満19歳以下 1級*注 この級位は奨励会の級位で、6級でもアマ三、四段の実力となります。
引用元:2021年度奨励会入会試験のご案内



初段への昇段が21歳までという条件も考慮に入った、受験の条件になっているのだと思います。
セカンドキャリア



棋士へのチャレンジの次のステージ。
皆さんはどんなことをされるのかな。



奨励会出身の皆さんは、様々な場所で活躍されていらっしゃいます。
進学から次のステージへ
奨励会を退会後、大学受験に専念。東大、京大などに合格される方は多くいらっしゃいます。



奨励会出身の皆さんに、考え続けることで勝てる気がしないよ。



目的が決まった時の集中力が凄いからこその結果だと思います。
記者
新聞など、将棋の棋戦を開催するメディアには、観戦記者が所属しています。その中には奨励会出身の記者もいらっしゃり、奨励会出身者ならではの切り口の記事が、読者の魂をゆさぶります。



棋士の先生とも話がしやすい部分もあるのかもね。



もともとも知り合いの場合も多いでしょうから、そういった部分もありそうです!
編集者
将棋関連の書籍は多く出版されています。著者はプロ棋士であることが多いですが、書かれた書籍の編集を行う編集者として奨励会出身の方が担当することもあります。



一般の方の気持と、プロ棋士の先生の想い。いちばんわかる方々かもしれないね。



はい。校正の部分でも、奨励会出身の方でないとわからないところもあるはずです。
将棋普及
一般の方へ向けた将棋教室や、イベントなど。将棋普及に情熱を傾けていらっしゃる奨励会出身の方々もいらっしゃいます。



教室もイベントも。奨励会出身の方々がいらっしゃると、安心感がありそう。



本当に、そうですね!
棋士への再チャレンジ
奨励会から離れてから一定期間が経過すれば、アマチュア棋戦への参加が可能となります。ここで顕著な成績をあげれば、棋士編入試験の扉が開かれ、棋士への再チャレンジの可能性も開かれます。
この棋士編入試験を突破して棋士となった先生は2023年現在、3人いらっしゃいます。



かっこよすぎです・・・!!



折田翔吾五段は、YouTubeもやられていて、プロ編入試験前から一部の方々の間では有名でした。YouTubeで活躍されていらっしゃる先生が棋士編入試験を経て棋士になる。リアルタイムで繰り広げられるドラマには熱いものがありますね。
まとめ





奨励会って、本当に厳しい世界なんだね。
だからこそ、そこで戦った方々には美しさがあるのかな。



そうかもしれません。厳しい世界を勝ち抜き、さらにその中で戦っている先生たちだからこそ、観ている側としてもひきつけられるとも思います。
今後も奨励会について、追記していきます。奨励会について、あなたの「ココが知りたい。」「こんな話もあるよ!」をコメント欄にて、ぜひお知らせください。
最後まで読んでいただき有難うございました!
\ 楽しい記事がいっぱい! /