入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。みんなまとめて徹底解説

ざっくりお話すると

・入玉：敵陣に王が入ること
・相入玉：お互いの王が入玉すること
・持将棋：
(1) 相入玉
(2) お互い詰みの見込みが無いと合意
(3) 駒の枚数にも大差なく引き分け
・入玉宣言法：
持将棋の条件(2)の合意がなくても、対局者どちらかの宣言で入玉したとみなして勝敗を決める方法

となります。

ですよね（汗）。
ということで、入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。さらにくわしくバッチリまとめました。これで、終盤を観るのがもっと楽しくなるはずです！

おまかせください！

はい。
まず、入玉。相入玉。の意味をおさらいしましょう！

おっしゃるとおりです。
では、つづけて入玉。相入玉を目指す理由をみていきます。

結論からいいますと、入玉すれば「詰まされることがない」。負けないからです。理由をこれからバッチリ説明しますね。

まず、将棋の駒は「王将」「飛車」「角行」「金将」「銀将」「桂馬」「香車」「歩兵」の8種類。成った駒を含めても「龍」「馬」の10種類しか有りません。

そして、後ろに動ける駒は「王将」「飛車」「角行」「金将」「銀将」。
「桂馬」「香車」「歩兵」は前方へしか動けません。

おっしゃるとおりです。
そして、入玉してしまえば「と金」をたくさんつくって自玉のまわりを固めることも簡単にできてしまうので、もう詰められなくなってしまうわけです。

「と金」の場合、取られた後が「歩兵」なので、入玉したまわりの「と金」を「歩兵」以外の駒の交換では攻めれば攻めるほど不利になってしまいます。

入玉した将棋で、ただで「と金」をたくさん取れる将棋は棋士・女流棋士の対局では無いので、入玉した王のまわりの「と金」を取って入玉した王を詰ませるというのは、事実上不可能です。

よって、くりかえしになりますが入玉すれば「詰まされることがない」。負けないわけです。ですので、お互い入玉を目指すのは有力な作戦のひとつとなります！

おっしゃるとおりです！

では、つぎに持将棋について見ていきましょう！

持将棋は、相入玉になってお互いの持っている駒に「大差がない」場合無勝負（引き分け）とすることです。

お互いの持っている駒にそれぞれ点数をつけて、お互いの点数を決めます。その差が少ないこと。これが「大差がない」となります。

つづけて見ていきます！

大駒（飛車・角行）は4枚。各5点x4=20点。
小駒（金将・銀将・桂馬・香車・歩兵）は、「金将」4枚+「銀将」4枚+「桂馬」4枚+「香車」4枚+「歩兵」18枚。計34枚。各1点x34=34点。

ですので、全部の駒を取れば20点+34点=54点ということですね。

いえ。お互いが24点以上持っていれば引き分けとなります。
これを24点法といいます。

そのとおりです！
「大差がない」と判断されます。

基本的には千日手と同様。先手後手を入れ替えて、指し直し。再対局となります。ただし、タイトル戦では棋戦ごとにどうするか決めます。

最後に、入玉宣言法についてくわしく見ていきましょう！

入玉宣言法は、対局者同士の同意がなくても「相入玉」もしくはこちらが「入玉」しました。と宣言する方法です。

ではつぎに、入玉宣言法のルールをみていきましょう。5つあります。

条件を一つでも満たしていない場合は、宣言した先生が負けとなってしまいます。

24点法ですと

0〜23点：負け
24点〜30点：引き分け
31点〜：勝ち

です。ですので、普通の相入玉の場合と比べて、点数的には少しだけ宣言した先生が有利になっています。

2022年7月18日。マイナビ女子オープンの予選にて、野原未蘭が宣言されたのが初めてとなります。

するどい・・・。
我々の記事は日本将棋連盟の情報をもとに書いております。もしかしたら通常の相入玉の場合と情報がまじってしまっているのかもしれません。珍しいことですので仕方がない部分もあるかとおもいます。

そう言っていただけるとうれしいです。きっといままで以上に終盤をみるのが楽しくなっていると思います！