入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法・・・。
このあたり正直よくわかってないのよね。
ざっくりお話すると
・入玉:敵陣に王が入ること
・相入玉:お互いの王が入玉すること
・持将棋:
(1) 相入玉
(2) お互い詰みの見込みが無いと合意
(3) 駒の枚数にも大差なく引き分け
・入玉宣言法:
持将棋の条件(2)の合意がなくても、対局者どちらかの宣言で入玉したとみなして勝敗を決める方法
となります。
ちょ・・・ちょっと。
いきなりこんなに覚えられないよ!
ですよね(汗)。
ということで、入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。さらにくわしくバッチリまとめました。これで、終盤を観るのがもっと楽しくなるはずです!
それ、うれしい!
入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。わかっていると絶対楽しいよね。くわしく教えて!
おまかせください!
- 入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。とはなにかがバッチリわかります!
- 入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。の条件もわかります!
- 将棋を観るのがもっと楽しくなります!!
それでは始めていきましょう!
入玉。相入玉。とは。それぞれを目指す理由。
まずは入玉。相入玉。ね。
そういえばなんで入玉を目指すのかな?
理由もバッチリ押さえておきたいな。
はい。
まず、入玉。相入玉。の意味をおさらいしましょう!
入玉。相入玉。の意味
入玉(にゅうぎょく)とは将棋における用語の一つで、一方の玉将、または王将が敵陣(相手側の3段目以内)へと移動することを言う。入王(いりおう)と呼ばれる場合もある。
引用元:wikipedia
うんうん。相手側の3段目以内。
そして相入玉は、自分と相手。どちらの王も入玉すること・・・ね。
おっしゃるとおりです。
では、つづけて入玉。相入玉を目指す理由をみていきます。
入玉。相入玉。を目指す理由
結論からいいますと、入玉すれば「詰まされることがない」。負けないからです。理由をこれからバッチリ説明しますね。
よろしくおねがいします!
まず、将棋の駒は「王将」「飛車」「角行」「金将」「銀将」「桂馬」「香車」「歩兵」の8種類。成った駒を含めても「龍」「馬」の10種類しか有りません。
あらためて言われるとそうね。
「銀将」「桂馬」「香車」「歩兵」は成ったら「金将」だものね。
そして、後ろに動ける駒は「王将」「飛車」「角行」「金将」「銀将」。
「桂馬」「香車」「歩兵」は前方へしか動けません。
そうか・・・。
将棋の駒って基本的に前に進むようにできているから後ろの駒は攻めにくいってことか。
使用する8種類40枚の駒は全て前方への移動が可能であるものの、このうち、後方への移動が可能な駒は初期配置や持ち駒を盤上に打った段階で5種類14枚、左右への移動が可能な駒は3種類8枚とそれぞれ限られる。そのため、相手の玉将に入玉された場合には、入玉された側は自陣の3段目以内にいる相手の玉将を攻めることが難しい。
引用元:wikipedia
おっしゃるとおりです。
そして、入玉してしまえば「と金」をたくさんつくって自玉のまわりを固めることも簡単にできてしまうので、もう詰められなくなってしまうわけです。
入玉した王のまわりの「と金」を取って入玉した王を詰ませることってできないのかな?
「と金」の場合、取られた後が「歩兵」なので、入玉したまわりの「と金」を「歩兵」以外の駒の交換では攻めれば攻めるほど不利になってしまいます。
入玉した将棋で、ただで「と金」をたくさん取れる将棋は棋士・女流棋士の対局では無いので、入玉した王のまわりの「と金」を取って入玉した王を詰ませるというのは、事実上不可能です。
なるほど・・・。
一方、入玉した相手側は歩兵などを数多く成らせることにより入玉後の守りを固めることが容易なため、入玉された側が相手の玉将を詰ますことは更に難しくなる。特に相入玉(自分、相手の双方が入玉した状態)になった場合は、勝敗の決着をつけること自体が困難になる。
引用元:wikipedia
よって、くりかえしになりますが入玉すれば「詰まされることがない」。負けないわけです。ですので、お互い入玉を目指すのは有力な作戦のひとつとなります!
そうか!
相手の王を詰ませられれば一番いいけれど、自分の王が詰ませられないのも大事だものね。入玉できるのであれば、自陣で囲うより負けないってことなのね。
おっしゃるとおりです!
持将棋。徹底解説
では、つぎに持将棋について見ていきましょう!
うんうん!
点数計算
持将棋は、相入玉になってお互いの持っている駒に「大差がない」場合無勝負(引き分け)とすることです。
「大差がない」ってどういうこと?
お互いの持っている駒にそれぞれ点数をつけて、お互いの点数を決めます。その差が少ないこと。これが「大差がない」となります。
玉将を0点
引用元:wikipedia
大駒(飛車・角行)の1枚を各5点
小駒(金将・銀将・桂馬・香車・歩兵)の1枚を各1点
駒 | 枚数 | 一枚あたりの点数 |
---|---|---|
王将 | 2 | 0 |
飛車 | 2 | 5 |
角行 | 2 | 5 |
金将 | 4 | 1 |
銀将 | 4 | 1 |
桂馬 | 4 | 1 |
香車 | 4 | 1 |
歩兵 | 18 | 1 |
なるほど。こうやって点数を決めるんだ。
大駒以外みんな同じ点数ってのが面白いね。「金」も「歩」も同じなんだ。
24点法
つづけて見ていきます!
大駒(飛車・角行)は4枚。各5点x4=20点。
小駒(金将・銀将・桂馬・香車・歩兵)は、「金将」4枚+「銀将」4枚+「桂馬」4枚+「香車」4枚+「歩兵」18枚。計34枚。各1点x34=34点。
ですので、全部の駒を取れば20点+34点=54点ということですね。
駒 | 枚数 | 一枚あたりの点数 | その駒をすべてとったときの点数 |
---|---|---|---|
王将 | 2 | 0 | 0 |
飛車 | 2 | 5 | 10 |
角行 | 2 | 5 | 10 |
金将 | 4 | 1 | 4 |
銀将 | 4 | 1 | 4 |
桂馬 | 4 | 1 | 4 |
香車 | 4 | 1 | 4 |
歩兵 | 18 | 1 | 18 |
ということは、引き分けは54点の半分。お互い27点の場合なのかな。
いえ。お互いが24点以上持っていれば引き分けとなります。
これを24点法といいます。
一方の対局者で24点に満たない場合は、24点に満たない方を負けとし、両者とも24点以上となる場合は無勝負(引き分け)とする。この引き分けのことを「持将棋(じしょうぎ)」と言う。また、24点を基準とする点数計算を「24点法」という。
引用元:wikipedia
ぜんぶで54点。
ということは24点と30点でも引き分けになるってことね。
そのとおりです!
「大差がない」と判断されます。
「大差がない」っていうのはそういうことか・・。
ちなみに、棋戦で持将棋となった場合にはどうなるの?
基本的には千日手と同様。先手後手を入れ替えて、指し直し。再対局となります。ただし、タイトル戦では棋戦ごとにどうするか決めます。
公式戦において持将棋が成立した場合、通常は千日手と同様の規定に則り先手と後手を入れ替えて指し直す。タイトル戦の番勝負においては各棋戦の規定に委ねられ、基本的には当該対局を無勝負引き分けとしたうえで番勝負の最大対局数を1局増やす形となる
引用元:wikipedia
なるほど。
タイトル戦の場合。準備や、タイトル戦に出場する先生たちのスケジュールもからんできそうだものね。
入玉宣言法。徹底解説
最後に、入玉宣言法についてくわしく見ていきましょう!
うんうん!
入玉宣言法で宣言できるタイミング
入玉宣言法は、対局者同士の同意がなくても「相入玉」もしくはこちらが「入玉」しました。と宣言する方法です。
なるほど。
入玉宣言法の「5つ」の適用条件
ではつぎに、入玉宣言法のルールをみていきましょう。5つあります。
- <条件1>宣言側の玉が、敵陣三段目以内に入っている。
- <条件2>宣言側が(大駒5点、小駒1点の計算で)
・先手の場合28点以上の持点がある。
・後手の場合27点以上の持点がある。
ただし点数の対象となるのは玉を除く宣言側の持駒と敵陣三段目以内に存在する宣言側の駒のみである。 - <条件3>宣言側の敵陣三段目以内の駒は、玉を除いて10枚以上存在する。
- <条件4>宣言側の持ち時間が残っている。(切れ負けの場合)
- <条件5>宣言側の玉に王手がかかっていない。(詰めろや必死は関係ない)
参考:日本将棋連盟
条件を一つでも満たしていない場合は、宣言した先生が負けとなってしまいます。
なるほど。
先手28点。後手27点。
・・・あれ?普通の相入玉の場合にはどうなるんだっけ?
24点法ですと
0〜23点:負け
24点〜30点:引き分け
31点〜:勝ち
です。ですので、普通の相入玉の場合と比べて、点数的には少しだけ宣言した先生が有利になっています。
うーん。ややっこしいね。
棋士・女流棋士の実戦ではいままであったのかな。
2022年7月18日。マイナビ女子オープンの予選にて、野原未蘭が宣言されたのが初めてとなります。
参考記事:女流棋士の勝利で注目「将棋の入玉宣言法」 歴史的決着までの前日譚
珍しいことなんだね。
・・・あれ?記事の中の入玉宣言法での勝利条件(点数)とこの記事の点数ちがうね。
するどい・・・。
我々の記事は日本将棋連盟の情報をもとに書いております。もしかしたら通常の相入玉の場合と情報がまじってしまっているのかもしれません。珍しいことですので仕方がない部分もあるかとおもいます。
参考:日本将棋連盟
まとめ
なるほど!入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。今回の記事でちゃんと整理できたよ!面白かった。ありがとう!
そう言っていただけるとうれしいです。きっといままで以上に終盤をみるのが楽しくなっていると思います!
今後も入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。について、追記していきます。入玉。相入玉。持将棋。入玉宣言法。について、あなたの「ココが知りたい。」「こんな話もあるよ!」をコメント欄にて、ぜひお知らせください。
最後まで読んでいただき有難うございました!
\ 楽しい記事がいっぱい! /