佐賀の星。武富礼衣先生。苦しんだ3級。そして飛翔。まとめ

武富礼衣女流初段は佐賀県のご出身です。

幼稚園のときに、お父様とお兄様が将棋を指しているのをみて、ルールを覚えます。その後、初めて出場した大会。「将棋の日ｉｎ佐賀」子どもフェスティバルで谷川浩司十七世名人に6枚落ちで指導をうけ、将棋にさらに夢中になられていきます。

その後武富礼衣女流初段は、のちに師匠となる中田功八段が師範をつとめる福岡市の将棋道場に通い研鑽を積まれます。

そうですね・・・。
当時武富礼衣女流初段は佐賀市にお住まいでしたので車で1時間半ほどでしょうか。

小中学生の将棋大会でも好成績だった武富礼衣女流初段ですが、「女流棋士になりたい。将棋を生涯の仕事にしたい！」と決めたのは中学３年生のときでした。

はい。

中には、中学３年生ですでにデビューしている棋士や女流棋士もいらっしゃいますので。
ただ、武富礼衣女流初段の場合。並行して習っていたピアノも大好きでしたので、「じぶんが一番好きなもの」が将棋と決めたのが中学3年生ということだった様です。

そして、高校一年で正式に中田功八段一門となって、研修会に入ります。
さらに翌年には「女流3級」として女流棋戦にデビューします。

はい・・・。
ただですね。2023年現在はもう無い「女流3級」という制度。これが結構くせものだったんです。

簡単に言うと、「女流3級」は女流棋士の仮免許みたいなものでして。「2年以内に条件をクリアできれば正式な女流棋士」「条件をクリアできないと研修会に逆戻り」になる制度です。

クリア条件は以下の通りです。

この条件をクリアできず、いちど研修会に戻ることになった先生もいらっしゃいます。
ガチの制度です。（田中沙紀女流1級。その後女流2級として復活。女流順位戦も昇級されるなど大活躍中。）

武富礼衣女流初段の女流3級1年目は5勝7敗。
正式な女流棋士となるための規定には届きませんでした。

そうなんです。
なのであと1年で6勝して「2年間で参加公式棋戦数の4分の3以上の勝星（11勝）を得る」か、女流1級昇級の条件を獲得しなくてはいけなくなります。1年目より成績が下がった場合には確実にアウト・・・です。

そして2年目。
最初の3棋戦の結果は以下の通りでした。

はい。

そして挑んだ運命の第45期女流名人戦。予選1回戦と2回戦で勝利！さらに予選準決勝で、強豪岩根忍女流三段にも勝利し、「『女流棋士昇段級規定』の女流1級に該当した場合」の規定を満たし、同日付で女流2級に昇級し、正式な女流棋士となりました。運命の2018年2月7日。タイムリミットまであと3ヶ月。ギリギリの昇級となりました。

デビュー直後にある意味「取り消し」みたいな扱いになりますので、そういう意見もあるかもしれませんね。

実際、武富礼衣女流初段も、昇級後のインタビューで「実感ないです…。対局前は生きた心地がしませんでした」と語っていらっしゃいました。

女流3級で大変な思いをされた武富礼衣女流初段ですが、現在は女流棋戦でも安定した成績を収めつつ、YouTubeをはじめ様々なメディア出演で、将棋界を熱く盛り上げてくださっていらっしゃいます。
また、「いまが強くなるラストチャンスかもしれない」と心機一転。所属を関東に変えられて研鑽にはげんでもいらっしゃいます。
もうこれは応援するしかありませんね！