女流の開拓者。中井広恵先生。永世と伝説。棋風と魅力。まとめ

中井広恵女流六段は北海道稚内市のご出身です。

5歳のころお父様に教えられて将棋を覚えます。最初はお父様のひまつぶしの相手として、指名されたとのこと（笑）。「勝てないしつまらない。」というのが将棋に持った最初の印象だったそうです。

5歳で将棋を覚えた中井広恵女流六段。
しばらく将棋から遠ざかっていましたが、小学校3年生のころに再開。だんだんお父様やほかの大人たちにも勝てるようになり「将棋っておもしろい」となります。

それから、中井広恵女流六段は、将棋道場に毎日のように通うようになりめきめきと力をつけていきます。同郷、同学年の中座真八段に誘われて、はじめて小学校名人戦に出たのが小5のとき。ここから一気に世界がひらけていきます。

小6のとき。2度目の小学生名人戦で、中井広恵女流六段は快進撃を見せます。初戦で羽生善治九段に勝利し、どんどん勝ち上がります。結果は準優勝。これは今に至るまで女子最高成績です。ベスト4には佐藤康光九段、畠山成幸八段。ほかにも中座真八段、松本佳介七段、村山聖九段、畠山鎮八段、近藤正和七段ら、のちの棋士が多く参加した中でのこの成績は衝撃的でした。

そして、小学生名人戦での中井広恵女流六段の活躍が佐瀬勇次名誉九段の目にとまり、弟子入り。その年に女流棋士デビューをされます。11歳10ヶ月での女流棋士デビューは当時最年少記録でした。

中井広恵女流六段は、清水市代女流七段、林葉直子先生と女流三強の時代をつくられてきました。三人のなかで最初にタイトルを取られたのは林葉直子先生。その後、中井広恵女流六段は、清水市代女流七段の二人を中心に女流タイトル戦がまわっていきます。

なにより、中井広恵女流六段と清水市代女流七段は公式対局数が100局を超えており、これは棋士、女流棋士のあこがれのひとつ。超一流同志でないと達成できない大記録をお二人で作られています。そして、林葉直子先生は将棋界を去ったいまでも中井広恵女流六段と深い親交をつづけられています。

2007年に、女流棋士の地位向上を目的としたLPSA(日本女子将棋協会)という新組織が設立され、初代代表として中井広恵女流六段は就任されます。

必ずしもそうではありませんし、当時と今では女流棋士をとりまく状況もかわっていますので、詳細は割愛します。
当時、中井広恵女流六段ご自身、兄弟子でもある植山悦行七段とご結婚なされ、お子様を育てていく中で女流棋戦を戦っていくなかで、感じた思いや当時の女流棋士の地位など。思うところがあったのかもしれません。

弟弟子。おなじ佐瀬勇次名誉九段門下である、木村一基九段が46歳で初タイトルとなる王位を獲得されました。その翌年、中井広恵女流六段はなんと51歳で倉敷藤花戦のタイトル挑戦者となります。この時の意気込みのお言葉です。