1月17日。引き継ぐ系譜。都成竜馬先生。棋風と魅力。まとめ

都成竜馬七段は宮崎県宮崎市のご出身です。

4歳のころ、お兄様とお父様が将棋を指しているのをみて興味を持ち始められます。都成竜馬七段のお父様はご自身で将棋教室を開かれるほどの将棋ファン。お兄様やお父様の将棋教室に通うアマチュア強豪の方々との対局で力を磨いていいます。

谷川浩司十七世名人が「ひとりだけ弟子をとる」と話されているのを聞き(谷川浩司十七世名人自身が回顧録で「発言の記憶がない」とも。)、当時小5の都成竜馬七段は弟子入り志願の手紙を出されます。

おっしゃるとおりです。
実際にたくさんの弟子入り志願の手紙が谷川浩司十七世名人のもとに届いたそうですが、都成竜馬七段の

・小学生名人戦で優勝した実績
・竜馬という将棋に縁深い名前
・1月17日が誕生日であること

に谷川浩司十七世名人は運命を感じられて、都成竜馬七段の谷川浩司十七世名人への弟子入りが実現します。

谷川浩司十七世名人も経験した阪神淡路大震災があった日が1月17日でした。関西に縁のある方々にとって1月17日はやはり特別な日なのです。

都成竜馬七段は谷川浩司十七世名人へ弟子入りした小5の年に、奨励会に入会されます。

奨励会では、6級から三段まで。7年で昇級・昇段されます。
棋士となるまで残すは三段リーグのみとなります。

三段昇段のタイミングで、都成竜馬七段は師匠の谷川浩司十七世名人から「やっと半分きた、と思いましょう。」と手紙をもらいます。三段リーグを抜ける苦しみ。抜けられなかった悲しみを、今まで色々ご覧になられてきての気持ちのこもったお言葉だと思います。

本当ですよね。
ただ、都成竜馬七段は三段リーグで本当に苦しまれます。12勝6敗を4回。次次点である4位を2回取られ、しかも史上初となる奨励会所属。三段での新人王獲得など、「三段リーグをいつ抜けてもおかしくない」成績を残しつつも、三段リーグ所属は17期。気づけば三段リーグも9年目となり、奨励会所属の年齢制限である26歳が目前となっていました。

最初に三段リーグに所属していた17歳のときには三段リーグ最年少でした。しかし、次々と後輩が四段となり、先輩が三段リーグを突破できず年齢制限で退会となっていき、いつしか奨励会所属年齢制限の26歳が間近となります。

ですが、谷川浩司十七世名人をはじめ、関西の棋士。仲間たちは厳しくも暖かく見守っていました。都成竜馬七段の人柄や、棋士の憧れである新手をつくられる才能に、みなさんは惹かれていたのかもしれません。最後の三段リーグ直前に糸谷哲郎八段と食事をした際のアドバイスは都成竜馬七段にとって相当なインパクトを残します。

勝負の世界で生きている方々は、正直に意見を言う傾向はありますが、糸谷哲郎八段はその中でもズバッとしていますよね。でも、この発言。自分が嫌われ役になってでも都成竜馬七段に成功してほしいと想っての発言です。間違えなく。本当に優しいんですよ。糸谷哲郎八段は・・・。

師匠の谷川浩司十七世名人は都成竜馬七段が弟子となられてからずっと。タイトル戦の最中であっても、弟子である都成竜馬七段の対局をご覧になられて、直筆の心のこもった手紙で、アドバイスを送られ続けていました。17期目の奨励会三段リーグ。都成竜馬七段の努力。様々なまわりのサポートをきっかけにして、都成竜馬七段がためていた力が一気に開花します。

はい。奨励会三段リーグは1日2局対戦されるのですが、最終日の1回前。残り2局を残して26歳の都成竜馬七段は、奨励会三段リーグの首位を確定。四段昇段を決められます。奨励会三段リーグで最終日より前に首位を確定させる成績は、ぶっちぎりといってもいい成績でした。

はい！
都成竜馬七段の地元である宮崎県で昇段祝勝会をやった際、谷川浩司十七世名人は「やっと師匠として最低限の責務を果たせた」とおっしゃってもいましたし、ご自身が手彫りされた将棋駒をプレゼントされていらっしゃいます。谷川浩司十七世名人やまわりの方々のお気持ちは「喜んだ」という言葉では全く足りないのではないでしょうか。まさに万感の思いだったのだと思います。

その後、都成竜馬七段は、四段に昇段されてから五年で七段に昇段されています。タイトル戦出場も期待してしまうところです。これからの都成竜馬七段の活躍に注目ですね！